スプリングオペラ | キャプテンズ・バー|オーセントホテル小樽【公式】メインバー
スプリングオペラ
2021.03.25

コロナが終わる願いを込め、春を運んでくれるカクテルをご紹介。

私たちバーテンダーはカクテル作りの腕を磨こうと、様々な競技会にて自己啓発を行います。中でもサントリーさんが主催するコンペティションは憧れの舞台だったのです。

それはメーカーイチ押しの商品をオリジナルカクテルへと進化させていく所為が、クリエイティヴな能力を育むことが出来る所以です。優勝したカクテルは日本中に発信され、この上ない名誉を得ることもできる。自身、何度もエントリーさせていただく一方、ライバルたちの優れた感性に大きなインスピレーションを受けてきたのでした。

コロナ禍「春のカクテル」を考案中、真っ先にご紹介しようと閃めいたのが、同大会で1999年に優勝した「スプリングオペラ」というカクテル。「春から初夏への移ろい」をグラデーション(色調の変化)によって作り出したのが印象的で、いわゆるインスタ調の「春映え(ハルバエ)」に例えられるよう。作品動画を見て、思わず心が躍った読者の皆様は是非試みて欲しい。

使用材料は、ドライジン「ビフィーター」によって、凛と澄んだスピリッツを表現。これに桜と桃のリキュールを醸すことで、五大節句のひとつ「上巳の節句」に見立てられる。ポイントに挙げた「オレンジジュース」を静かに沈ませれば、スプリングオペラの名に相応しく「なるほど!」と、説得力をもたらせてくれるようだ。

また、異なる色を二層にする方法は、糖度の差を利用し、オリジナルではジュースを「直接」沈めますが、動画のように敢えて「ダブルシェーク(二度振る)」のひと手間を加えました。これにより、蜃気楼に見て取れるグラデーションが映し出され、新しい季節の始まりを想起させてくれるから。

カクテル作りの魅力とは、作品の見た目に対して、味わいを裏切らないことです。このポイントを具現化できれば、お客様のハートを掴んで離しません。